生分解性プラスチックとは、自然界に存在する微生物の働きにより、水と二酸化炭素に分解される性質を持つプラスチックの事を指します。
使用後に完全に分解され、環境への影響が無いことから、使用済プラスチックを処分する為の、埋立地の確保や、海洋流出による生態系への悪影響等、深刻化している事柄を解決する、環境に優しい素材として注目されています。
<生分解性プラスチック製品の主な用途>
- 農業・土木資材(マルチフィルム、燻蒸フィルム、獣害対策忌避ネットなど)
- 食品残渣(生ごみ)収集袋
- 食品容器包装(食品容器包装、カトラリー、ストローなど)
生分解性プラスチックは、自然分解される性質から、主に使い捨て製品に使用されています。
農業用マルチフィルムに生分解性を持たせれば、使用後は畑に鋤きこむ事で分解される為、回収の負担軽減や廃棄物削減に大きなメリットを持たせられます。
<生分解性プラスチックの種類>
生物資源(バイオマス)由来
・PLA(ポリ乳酸)、PHBH(ポリヒドロキシブチレート/ヒドロキシヘキサノエート) など
バイオマス+石油由来
・バイオPBS(ポリブチレンサクシネート)・ポリ乳酸ブレンドPBAT など
石油由来
・PVA(ポリビニルアルコール)・ポリブチレンアジペート/テレフタート(PBAT) など
生分解性を持つ原料であっても、どのような環境で生分解性を発現するかは、その種類によって異なります。
例えば、マイクロプラスチックの海洋流出が深刻化する水環境での生分解性を発揮できるのは、
生分解性プラスチックの中でもPHBH(ポリヒドロキシブチレート/ヒドロキシヘキサノエート)などのごく一部に限られます。
PLA(ポリ乳酸)はコンポストでの高温多湿な環境では分解されるが、水環境では分解されにくい性質を持ちます。
それぞれの環境で温度や湿度、微生物の種類は異なり、分解されやすいプラスチックの種類も異なります。